うさぎ組(2歳児)の絵本コーナーにある丸テーブルでは、いつも3~4人の子どもたちが好きな絵本を開いている姿が見られます。1人1冊ずつの時もあれば、1冊の本を複数で見ていることもあります。絵本を通し会話を楽しんでいる様子を見ると、子ども同士の関わりが増えてきていることを日々感じます。
そんなある日、本棚横の水槽の前で3人の男の子が 「あっ、きんぎょが逃げた!」 と、泳ぐ金魚の方向に合わせて指をさし楽しそうに会話をしていました。「あっ、また逃げた!」 「こんどはどこ?」 「ここ!!」 このセリフは・・・
そうか、「きんぎょがにげた」の絵本のセリフだと気付き、しばらく3人の様子を見ていると、はじめは仲良くセリフを言い合って楽しんでいました。 ところが水槽の中の金魚は2匹。2人の子どもが1匹ずつ指をさすと、残った一人の子どもが自分の指さす金魚がいないことに気づき、次第に言い争いに・・・
「Yくんの金魚なんで!」 「Hくんの!」 「Aくんのこれー!」 「ちがう!!」 などなど、段々と激しくなりました。 そろそろ仲裁に・・・ とタイミングを見計らっていると、Yくんが本棚から「きんぎょがにげた」の絵本を取り、「ここにもおるよー」と言いました。すると、他の子どもたちも「ほんとやー!」と笑顔を見せ、さっきまでの言い争いが無かったかのように水槽の横で絵本を広げ、本物と絵本の金魚を指差し、「いたいた。」 「こんどは逃げないよ。」と、絵本のセリフを言って楽しみはじめました。その姿はとても微笑ましく、子ども同士でトラブルを解決できたことをとてもうれしく思いました。
子どもたち同士の言い争いなどの仲裁に入るタイミングは難しく、反省することも多いです。その度に子どもを信じて待つことや、子ども同士の関わりを丁寧に見守ることの大切さを感じています。